2021 オススメ part1
今年、私の現実逃避の被害者となった、悲しい文化の産物たちを紹介していきます。
コンテンツの数が多い上に語りたいことも多いので、数記事に分けて書きたいと思います。
なるべく、そのコンテンツを知らない人にでも、ちんぷんかんぷんにならないような紹介を心がけるので、読んでくれるとうれしいです。
仮に1歳の子供が超絶大犯罪を犯して、進撃の巨人全34巻だけが置いてある牢屋に死ぬまで投獄されても、死ぬ間際には幸せだったと胸を張って言えるでしょう。
画像は私が一番好きな24巻です。
ここからしばらく自分語り
実は進撃の巨人にはちょっとした因縁があって、小学生の頃、確か進撃の巨人が一番流行っていた頃でした。当時の私は、自転車を漕いでいる最中に車で轢かれても、進撃の巨人の新刊をそのまま本屋に買いに行き、親に車のナンバーぐらい控えておけと叱咤される、刃牙のエピソードじみたものを作り上げてしまうほどの進撃狂いでした。ある日、私の録画していたアニメ進撃の巨人を観てしまい、そのグロテスクな描写から「教育に悪い」と判断した親は、私の持っていた漫画やアニメを没収してしまいました。ですが、幸いなことに、当時私はとんでもないほど頭が悪かったので、内容や展開をこれっぽっちも理解しておらず、そのため先の内容も微塵も気にならなかったため、確かにグロいなあ、真っ当だなあ、と呑気に親の意向に従っていました。そんな私が、約9年越しに進撃の巨人に心を奪われるようになったのは、なんだか運命的なものを感じます。因みにその当時禁止した親も今では31巻まで読んでいます。
余談ですが、私の家は禁止されたものがそれ以降話題に出されることはなく、段々と気まずいものへと変化していくという、残酷な法則性に支配されていました。そのためテレビから進撃の巨人なんてワードが聞こえてきた時には、ガールフレンド(仮)のCMが流れた時とは比べものにならないぐらい、空気がヒエッヒエになったので、家族みんなでそのテレビが過ぎるまでは超大声で話していました。急に白々しいほどの大声で明日の予定とかを話し始めるので、側から見たらかなり異常な光景に映ったと思います。ほかに禁止になったものとしては、小学校時代私の友人であった金持ちのはるとくんは、私が彼のエピソードを話している最中に兄と喧嘩になったので、母は"はるとエピソード禁止令"を発布しました。私の家においてはるとくんは江戸幕府におけるキリストと同じポジションに位置していました。ある日、はるとくんと遊んでいる時に母に出くわしてしまったことがあり、別に関わること自体は禁止されていなかったので、後ろめたいことはなかったのですが、彼の名前を尋ねられたので、咄嗟に気まずさへの恐怖を感じ、小学生だった私は「こいつには名前がない」みたいな、ジャンプ漫画に登場する一番ヤバめな敵みたいな設定をはるとくんに押しつけて、なんとか乗り切っていたことは幼少期の数少ない記憶として残っています。
今年は進撃の巨人にハマりすぎて、一時期は毎日全巻を読み返していたし、進撃の巨人を学校に二冊ほど持ってきたはいいものの、一度読んでしまうと続きが読みたすぎて内なる巨人を抑えきれなくなるので、わざわざ早退して読んだりしていたし、進撃の巨人を読み返すために学校を休んでいたし、あまりにも読みすぎて19巻あたりから33巻までのサブタイトルと内容を殆ど暗記したりしていました。
自分語り終了
この漫画の素晴らしいところは、挙げていくとキリがありませんが、テーマの重厚さ、伏線、構造の複雑さと美しさ、キャラの魅力、などの要素は特に筆舌に尽くし難いです。
特にオススメしたい層は、面白い漫画は好きだが、むかし大流行した時は、ただのパニックホラーのグロ漫画という印象で、魅力が分からなかった、という層です。
ネタバレになるので詳しくは語れませんが、この漫画は、序盤はバトルファンタジー、中盤は政治的な争い、終盤は戦争、そして神話のようなものへと次々と目まぐるしく展開していきます。しかしそれは決して散らかっておらず、一巻の一話から膨大に張り巡らされた伏線が、ある場面では鳥肌が止まらなくなるような衝撃的なもの、ある場面では涙がこぼれるような感動的なもの、ある場面では叫び出したくなるような熱いものへと変貌し、美しく回収されます。蓋しこの漫画の印象に偏見を抱いていればいるほど、この漫画は衝撃をもって読むことができます。
私の特に好きなエピソードは116話「天地」と88話「進撃の巨人」です。
バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻(エル=バシャ)」
これを語らずして今年の私を語ることは、乳のデカさを語らずしてパイズリを語ることと同じぐらい不可能なことです。
私は本来クラシックをあまり聴かないのですが、村上春樹の「1Q84」を読んでいると、"ふかえり"という主要人物の17歳の女の子が、この音楽が好きなことを公言するシーンが印象的で、狂ったように聴くようになりました。
そのシーンの引用をすると
「趣味はなんですか?」
「オンガクを聴くこと」
「どんな音楽?」
「バッハがいい」
「とくにお気に入りのものは?」
「BWV846からBWV893」
天吾はしばらく考えてから言った「『平均律クラヴィーア曲集』。第一巻と第二巻」
「そう」
「どうして番号で覚えるの?」
「そのほうがおぼえやすい」
『平均律クラヴィーア曲集』は数学者にとって、まさに天上の音楽である。十二音階すべてを均等に使って、長調と短調でそれぞれに前奏曲とフーガが作られている。全部で二十四曲。第一巻と第二巻をあわせて四十八曲。完全なサイクルがそこに形成される。
このシーンがカッコいいなと思ったのがきっかけなのですが、まず好きな音楽を訊かれてバッハと答えるのがオシャレじゃないですか。それに加えて、BWV(バッハの作品をまとめるために付けられている番号)で言った上に、少し考えて「平均律クラヴィーア曲集」と答えるのもめちゃくちゃイケてると思ってしまったんですよね。そして音楽の解説もなんだかカッコいい。これは聴くしかないと思い、完全に邪なきっかけですが聴いてみると、これがメチャクチャにいい音楽だったんです。音楽理論のことは分かりませんが、聴いていると落ち着くし、心が鎮まるような感じを受けます。そして中にはゾワゾワするほど緊迫するような曲もあり、アルバムを通して聴いても飽きることはありません。
今年は何をするにもこれを流している時が多かったです。味わって聴くのも良いのですが、やはり精神が落ち着くので、読書など集中力を要する行為をする際には重宝しました。
スマブラのオンライン戦でブチギレた後にこれを聴くことでなんとか自我を保ちました。
作業用にクラシックを聴きたいけれど、どれが適しているか分からない人や、クラシックに興味はあるけれど、どれから聴いたらいいのか分からないような人にオススメです。
平均律クラヴィーア曲集からバッハの他の作品も聴くようになり、最近ではその畑だとメンデルスゾーンやショパンをよく聴いています。
チょっとエネルギーがなくなってきたのでテンポ良くいきます。
学校を遅刻しようとして公園でヒソカVSクロロを読んでいたら、昼間からベンチでギターを弾いているオッサンとハンターハンターの会話になり、割と弾みました。
キメラアント編に関しては、漫画としてのエンタメの域を超えた文学(クラナドは人生的なやつ)だと思っていて、今でも週一ペースで読み返しています。
新書
新しい本という意味ではなく、画像のような大きさの知識や学問が初心者向けにまとめられた本のことです。ネットでしばしば馬鹿にされるやつです。
今年は内容を味わうことを意識して本を読んだので、年間70冊ほどしか読めていませんが、そのうちの15%ぐらいは新書が占めていると思います。ちなみにあとの約85%は殆どが小説です。
本が厚くないからこそ、入門書として重要な箇所だけがしっかり抑えられていて、私は結構好きです。興味のある分野の新書を読んで、深掘りしたくなったら、むずかしめの本にチャレンジするという使い方が好ましいと思います。
オススメの新書を何冊か紹介します。
日本思想史
日本って、仏教とか神道とかキリスト教とかが文化的にごっちゃになっているけど、どういう遍歴を辿ってきたの?という疑問を抱いている人にオススメです。この本の素晴らしいところは、歴史的な事柄をただ並べるのではなく、「王権」と「神仏」という二極構造で歴史を捉え、その構造を意識して叙述しているところです。
右傾化する日本政治
政治思想の有無に関わらず、日本人として、争点になっている問題や、政治の今に至るまでのおおまかな流れを把握しておきたいなと思い読みました。
右翼や左翼のような、ちょっとセンシティブ系のネタで攻めていきたいオタクにオススメの一冊です。これを読めばキム●ニョン的なネタもすらすら理解でき、自分で発信もできるようになると思います。
part1はこの辺で終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
次回以降の予定
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